さようなら

アンドロイドと人間の共演というのでちょっと話題になった作品。

アンドロイド作者はマツコロイドで有名になった大阪大学の石黒教授。

 

あまり予備知識入れずにみてしまったのね、私。

アンドロイドが出ている、というのと、

原作が平田オリザの舞台だということのみ。

(その舞台も見たことないし)

 

説明が少なくて、しばらくは時代設定だったり細かな前提のようなものが

さっぱりわからず、(未来なのか?)

場所もはっきりと〇〇県という表現がなくて、でも見える景色が寒々しくて

そして時折うつる湖が自分的には福島県猪苗代湖を連想させて

そんな勝手な設定でみはじめる。

原発事故が自分の県で起きたのか、遠い所で起きたのかは

はっきりとは分からない。

主人公(南アフリカ生まれの白人女性)の彼の実家がある静岡

は「火災が起きた原発から近い」というセリフがあったけど、

現在地が分からないのだから、「ここ」とどのくらい離れているのかが

わからないのだ。

もしかすると、監督はその辺もわざと説明しないで

見る人にゆだねているのかもしれない。

(単純に私が勘違いしている可能性もあるが)

 

原発災害で、海外に避難する人たち、

避難の順番を待つ人たち、

こんな時でもおとなしく待つ人たち、

でもきっかけがあるとフラストレーションは爆発するという現実、

フィクションの話なのに

(そしてアンドロイドと共生するという設定自体SFなんだから何でもありな話になるはずなのに)

原発事故後の福島のもろもろと重なる。

同じかどうかは分からない。

(特に当事者だった人たちからみたら感じ方はまた違うだろうし)

 

海外に避難する順序は、犯罪歴があると遅くなるのは正しいのか?

日本人でないなら(主人公)遅くても仕方ないのか?

アンドロイドは幸せなのか?

限りある命は悲しいのか?

・・・

 

アンドロイドが語る詩は実にたくさん。

その中にはカール・ブッセの「山のあなた」もあった。

高校の国語の時間に、授業の前の導入で聞いて覚えている。

実は暗唱もできる。

特別好きなわけでもないのに、覚えている詩。

その詩をきくと、高校の教室の風景や先生の顔、ノートの罫線など

わーっと記憶がよみがえる。

記憶というのはホントに小さなきっかけでよみがえるんだなと

不思議に思ってしまう(かなり脱線)。

 

後半、映像がゆがんだまま進むシーンが地味につらかった。

脳みそが自動補正しようと頑張るのだけど、どうにもついていかず

くらくら、ふわふわ、めまいみたいな感じになるのよね。

映画館の大画面でこれ見たら気分悪くならないかちょっと気になる。

 

ラスト、アンドロイドが腹ばいで動くシーン、あれだけ人間がやってるんだろうか?

髪のつやがそれまでと違っていて

動きも人間ぽかったんだよな、なんかそこだけ違和感。

 

アンドロイド実験としてはよかったけれども

話としてどうかと言われると、うーんまぁ、という感じ。

好き好きあるだろうしね。

 

でも、アンドロイドの役をアンドロイドができるっていうのは

いいとおもう。(昔のSFでもアンドロイドの役は人間がやってたもんね)

あと、主人公とアンドロイド、

どっちが人間なのかたまにわからなくなる

(表情がともに薄い、言葉のアクセントが独特など)

のは狙っているのだろうし、そこはよかった。

 

それにしてもR15になっていたのはどの辺を考慮したのか

最後までよくわからなかった。

裸のシーンがあったからだろうか・・・

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