ニュースになるのは見栄えのいい被害者が出たときだけ

過労死問題が新聞やテレビで取りあげられる回数が激増したのは、

電通の高橋まつりさんの過労死問題からで、

あの被害者が無名の大学出身だったり、

地味な女性だったり、

ましてやパッとしない男性だったなら

あんなに取り上げられなかったよなあと思っていて。

 

あれから時間は経って今日の新聞ではnhk記者過労死問題

headlines.yahoo.co.jp

が大きく取り上げられていて。

やっぱり若くキレイな女性。

はあー、と息を吐いた。

 

きっと暫くは同情やら共感やら、同世代だけではなく上の世代も

一斉に会社を叩くんだろう。

嫌になる。

 

体育会系ムキムキ男子も、地味で友達多くない女子も、

辛いと思って生きてるひとは沢山いるだろうし

そんでもって亡くなってしまう(突然の病気や自殺等)ことはあるのに、

一点の曇りのない限られた人だけが被害者のようにもてはやされるのは

苦しいなあ。

 

そんなことを考えていて、先日見たbsのドキュメンタリー

www6.nhk.or.jp

を思い出した。

アフリカから地中海を渡って来る難民の話だったのだけど、

ボートにのっているのがほぼ若くて体力有りそうな(20-40代)男性で

物凄い違和感を持ったんだった。

なんで女性はこんなに少ないのか、子どもはほんの僅かなのか、

高齢と言わなくとも中年のどこにでもいそうな人はいないのか

とかそんなことばかり見ながら思ってた。

(多分渡航するには手配師にお金渡す必要あるとか

限りあるお金で一族渡るには男性優先とかあるんだろう)

 

地中海を渡って来る難民問題は日本でもニュースになったけど

あの報道きっかけも分かりやすい被害者

(3才位の男の子の遺体が浜辺に打ち上げられていた)ありき

だったんだ。

中年のおばさんではニュースにならなかったと思ってる。

メディアってズルいし、そういう記事を無意識にでも選んでいる読者も

(そこには自分も含まれる)ズルいなあと。

 

 そんな暗いことを思いながら、今日のノーベル文学賞受賞の

 選考委員会コメント

カズオ・イシグロ氏の力強い感情の小説は、私たちが世界とつながっているという幻想に隠されている闇を明らかにした」

がなんかよくてちょっと涙がでた。

 

もういい加減、村上春樹ノーベル賞期待するのはやめたほうがいいよね?

一応何冊か読んでるけど、全然良さが分からない人間なもんでね。

すまん。